ISO14000事務局10年目の本音(第31回)

  2014年5月号の10年目の本音は「環境事務局の力量はどう証明すべきか」であります。 川中氏は内部監査で「ISO事務局の力量を証明してほしい」と質問されて困ってしまったそうだ。結局いろいろな資格を持つことで力量を証明しようと考えたという。そしてそのために審査員補、衛生管理者、公害防止管理者、環境計量士、エコ検定などの資格を取りあさったと書いている。 そもそもというと語弊があるが、「力量」と「資格」は次元が異なる。力量とはなにごとかを実行できる能力であり、資格とはなにごとかを実施しても良いという条件である。だから審査員補とかエコ検定とは資格とは言えないわけで、そういうものは検定というのだ。(まさかいまどき審査員登録していなければ審査員ができないとお考えの方はいないだろう) そろばんやワープロを使うとか英語を話すには資格はいらない。そういうことがどれくらい上手かを評価する試験を検定といい、そろばん何級とかワープロ検定とか実用英語検定などという。おっと、「エコ検定」ってちゃん「検定」と書いてあるではないか。そして検定と資格はまったく別のもの、川中さん、大丈夫かいな? ともかく力量とは、資格でもなければ検定でもない。それがなにかということはISO17021にもISO14001にも書いてある。 だから冒頭で川中氏が「内部監査が正しく実施されていることが事務局の力量があることの証明である」と述べたことは、方法論としては正しいのだが、具体的な説明としては間違いというか見当違いである。 …

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