標準として使われる年月
鉄道の軌道の幅は幾種類かあるが、広く使われているのは標準軌と呼ばれるものと、狭軌と呼ばれるものの二つである。標準軌は私が子供の頃は広軌と習ったが、今は広軌とは標準軌よりも幅の広い線路のことを言うらしい。
実は最近、お話を書くネタ探しに技術史関係の書籍を呼んでいるのだが、この標準軌や狭軌の起こりは、昨日今日のことではないということを知った。昨日今日じゃなくて19世紀だとか18世紀だというのでもない。
なんと、その発祥はモヘンジョダロやハラッパの遺跡にその轍の跡があったという。モヘンジョダロとなると紀元前1800年から2500年くらいらしいから、標準軌や狭軌の歴史はなんと3500年くらいになる。そのときの幅と現在は数ミリしか違わないという。
秦の始皇帝が轍の幅を決めたというが、いろいろ調べたが実際に何センチにしたのかはわからなかった。ともあれ始皇帝が生きたのはBC247-210、モヘンジョダロで決めていた幅が中東からギリシアに伝わりさらにローマに伝わったのに、中国に伝わらなかったというのは荷車や馬車が中国までこれなかったからなのだろうか?
ともあれモヘンジョダロで荷車の轍の幅を決めた大工(?)は、己の仕事が世界中に伝わったことを知れば最高に幸せだろう。
さて、ISOMS規格はどうかと振り返れば、たった四半世紀の間に4回も改訂をしているわけで、そんなくるくる変わる標準では3500年も伝えられ使われるはずはない。私は貧乏だから1000円賭けよう、乗りませんか?…