ツバ

フィットネスジムの来月のプログラムがフロントのカウンターの上に置いてある。 一枚もらおうとしたのだが、紙を一枚とれないのである。 老人は指の脂分がなくなるせいか、紙をめくるとか数えることが難しい。同じくスマホの画面をタッチしてもなかなか感知しない。 指先をなめるのはみっともないし、昨今のコロナ流行で感染防止、不衛生ということで許されないこととなった。 外人はそんなことをしないという人もいる。 それで昔を思い出した。1980年ころ英会話学校にいっていた。 先生はいろいろいたが、たまたまアメリカ人の結構歳がいった女性が先生だったことがある。 彼女は配布物があるときは、指を舐めて紙を配っていた。外国人もみっともないことをすると思ったものだ。 今、自分が年寄りになると、あれは仕方のないことなのだと実感する。 じゃあ、どうするか? 私が監査が職業だったときは指サックを使っていた。表にイボイボが付いている奴だ。それを使って帳票をめくるのが日常だった。イボイボは2か月くらいできれいにすり減った。そういえばまだあるだろうかと、引き出しを見ると買い置きのものが10個くらいまだある。出してみるとゴムが劣化して固くなっていた。 とはいえ今指サックを持ち歩いて紙をもらうとき使うのもないだろう。

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