白河の関超える
高校野球なんて興味がなかった。だって高校野球はプロ野球と違い、縁のないところが勝とうが負けようがどうでもいい。どうせ縁のある所は出場しないのだから。
私に縁があるといえば郡山市であるが、わが母校はもちろん市内の高校から甲子園なんてここ二~三十年なかったとおもう。数年連続で日大付属が出場したことがあるが、1980年代だったように思う。そして今住んでいる市もだめダメである。
となると一段階広く見て、千葉県は市船、福島県は聖光である。ところが市船は出足からいけない。聖光はおおっと感心したらコケタ。
しかたがない、ではもう一段上げて東北は仙台育英しかない。仙台育英は全然身近じゃないけどただひとつ意味がある。それは白河の関を超えるかどうかということだ。
もう半世紀も前のこと、磐城高校が準優勝したことがあるが、あれ以来東北勢は優勝に手をかけるどころか触りそうになったところがない。
グズグズしているうちに北の大地に先を越され、未開の地みちのくはいまだ無冠更新中であった。
それがやっと今年から過去形で言えるようになったのがうれしい。
ともかく仙台育英が優勝して、優勝旗は白河の関を超えた。
白河の関とは大化の改新の頃からあるといわれるが、関所といっても箱根の関所じゃない。要するにそこから先は未開の蛮族で、今日を中心とする文化の地に蛮族が攻め入るのを防ぐための関所/砦であった。奥州藤原氏なんて異常値だったようで、戦国時代でも伊達政宗なんて秀吉から見れば田舎侍だったわけだし、上杉謙信だって同様だ。
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