大砂塵
大砂塵なんて聞いて、ウェスタン映画を思い浮かべるのは50歳以上だろう。
だが、残念ながら映画でもウェスタンでもない。
土曜日は千葉県だけでなく、関東平野はものすごい風だった。
洗濯担当者である私は、洗濯物が飛ばないか、飛んでくる土埃で汚れないか気になって時々ベランダから遠くを眺めていた。
すると、驚き桃の木山椒の木、わずか数百メートル先が見えない。土埃である。
当たり前と言ってしまえば当たり前なのだが、風が一様に吹く分けもなく、土ぼこりも平均的に飛んでいくのではない。
濃い薄い、流れが渦巻いたり逆流したり、まあ単純ではない。
ともかくこのままでは洗濯物に土埃が付くと思い、3時には取り込んだ。
布地にうっすらと土埃が付いているので、取り込む際に全部をパタパタと振った。
関東ローム層もこんなに風が強いと吹き飛ばされて土壌が減っていくだろうと思うのだがどうだろうか?
黄砂は皆に嫌われているが、その影響は大きい。まず中国の大地から土壌が減る、それは長い目で見れば農地の劣化であり、東シナ海への養分の補給であり、朝鮮半島や日本列島への土壌の補給なのだろう。
とはいえ日本からも土壌が飛ばされて太平洋に飛んでいく。
そんなことを思うと、聖書にあるように「大地は永遠に」なんてことはなく、すべてのものは変遷していくのだなと実感する。
いやあ~、洗濯物を干して取り込むだけでも聖書の文句を考えてしまう私はなんなんでしょうか?
かくて土曜日は大砂塵と共に暮れていく。