麻酔事故


無痛分娩で麻酔の処置が悪かったとかで亡くなった妊婦さんの報道があった。
それで思い出した話である。
私が高校生の時、盲腸になった。田舎の小さな病院に行ってすぐに手術した。当時はけっこう長期間入院していた。歩けるようになると待合室にいつもいる女の人に気がついた。聞くと麻酔の副作用とかで体調不良でずっと入院しているという。麻酔も危ないんだなあと思った。
私はその後炎症もなく退院した。ところが何事もなくはなかった。手術をして以来、左ももから左ふくらはぎまで痛みを感じなくなってしまった。つねってもいたくない。虫に刺されてもいたくない。針を刺して血が出てもいたくない。
麻酔の後遺症だと思う。日常生活で問題はないが気にはなるし、万が一ケガをした時も自分が気が付かないんじゃないかという懸念はあった。その後高校を卒業し就職し結婚しても痛みの感覚は戻らなかった。30くらいになったとき何かでイタイ!となった。そのとき痛みの感覚が戻ったことに気がついた。盲腸の手術をしてから10年が経っていた。
そのように麻酔事故というのは昔からあったのだ。それが大問題になったこともあるだろうし、私のように気にしないというか諦めて口にも出さなかった人もいるということだ。
今回もその事故だけとかその医師だけの問題でなく、原因を究明して再発しないようにしてもらいたい。私くらいなら笑い話だろうが、麻酔で死んでは死んでも死にきれない。

この記事へのコメント